フィリピンでの生活にもだんだん慣れてきて、学校や家の周りの飲食店や屋台は大体行き尽くした。そろそろ他の街にも行ってみるかということで、土曜日、自分の住んでいるロスバニョスの隣町であるカランバに行ってきた。カランバは日本人にとっては馴染みのない町だと思うが、フィリピン人にとっては心の故郷とも呼ぶべき町である。なぜならフィリピンで「国民的英雄」と称されるホセ・リサールの故郷であり、フィリピン独立運動の出発点だからである。そんなカランバの観光スポットを今回は紹介する。
ジプニーに揺られて50分
ロスバニョスからカランバまでは15kmほどである。ロスバニョスからカランバまではジプニーが走っており、通りに出ると簡単に捕まえて乗車することができた。運賃がわからなかったが、隣の人に聞くと大人は30P(約75円)、学生は25P(約60円)だと教えてくれた。もしフィリピンでジプニーの運賃がわからないときは、運転手に聞くよりもお客さんに聞くことをオススメする。運転手は大体フィリピノ語しか通じないが、お客さんは英語が通じることもあるからだ。最初はガラガラだった車内だが、どんどん人が乗り込んできて鮨詰め状態になった。立っている人はいないため山手線のような圧迫感はないが、エアコンがなどはもちろんついてないのでとにかく暑かった。カランバに近づくに連れて人も少なくなりそろそろ終点だと思っていると、突然二人の子供が走っているジプニーに飛び乗ってきた。元気だなと感心していると、一人の子供が乗客の膝の上に小さい封筒を配り始め、もう一人の子供が太鼓と喉歌のようなパフォーマンスを始めた。子供のパフォーマンスはどっから声が出ているのかと尋ねたくなるほど興味深かった。他の乗客は興味なさそうに無視していたので、私も習って何もしていないと封筒を回収して降りていった。あとでフィリピンメンバーに確認したが、こうした子供にチップを渡す場合5P〜10Pが相場らしい。注意したいのは、あまりたくさん渡すとたかられるからやめた方がいいという点と、日本の硬貨などをふざけて渡すのはやめたほうが良いという点だ。長距離のジプニーや都心部だとこうしたパフォーマーが乗車してくることはよくあるらしいのでフィリピン観光のときは余計なことをしないように気をつけよう。そうこうしているうちにジプニーの終点であるカランバSMモールに到着した。
ホセ・リサールの生家
カランバ、観光地で検索すると、大体ホセ・リサールの生家がトップに出てくる。ジプニーの終点であるカランバSMモールからは徒歩で30分くらいである。道の途中には、ロスバニョスよりも大きなマーケットや鉄道の線路沿いに並ぶ商店などロスバニョスでは見られない光景が色々あり面白かった。カランバの人たちは踏切から普通に線路に入り込み買い物などをしている。人によっては、バイクを線路に停めている人もいた。電車が来たときにどうするのか少し気になったが、来る気配は全くなかった。
ホセ・リサールの生家は中が博物館のようになっていて、1階には彼の功績や手紙などの展示が2階には当時彼が使っていたベッドなどがそのまま展示されていた。名家の生まれということで、自分が今暮らしている寮の周りの家と比べてもかなり立派なものだった。無料で入ることができ、全ての展示にフィリピノ語の説明と英語の説明が書かれていたので日本人が行っても楽しめると思う。土曜日ということもあり、現地の観光客もたくさんいて非常に賑わっていた。
カランバSMモール
博物館に行った後は、SMモールに行くことにした。SMモールとは、フィリピンの少し大きな町に行くと絶対あるショッピングモールである。カランバにはSMモールがあり、ここで携帯のSIMカードの問題を解決することも今回の目的の一つだった。フィリピンのSIMカードについての注意点は次の記事で紹介する。モールの中は、飲食店や服屋、スーパーマーケット、電気屋などが軒を連ねており日本のものとほとんど変わらない。ちょうど昼ごはんの時間だったのでモールでご飯を食べることにした。選んだのはBulaloだ。Bulaloとは牛骨のスープで中に牛肉と牛の骨髄、コーンや青梗菜などの野菜が入っているフィリピン料理だ。なかなかロスバニョスでは売っておらず、食べたかったのでちょうどよかった。Bulaloを注文すると、「with a marrow?」と聞かれた。これは骨髄を入れるかどうかという質問で、個人的には入っていた方が美味しいと思う。価格は、一人前220P(550円)だった。牛の旨みが染み渡る感じの優しい味でボリュームもあるので大満足だった。帰りも、ジプニーで帰った。ロスバニョスのように道端で捕まえようとしたが、どのジプニーも満員で全然乗れない。これはおかしいと思いSMモールの駐車場を探すとジプニーがたくさん停まっているエリアがあった。ジプニーには時刻表がないためこの駐車場で満員になったジプニーから出発するという仕組みのようだ。もしフィリピンで、来るジプニーが毎度満員で乗れないということがあったら近くに停留所やターミナルがないかを探してみると良い。
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