農村で1ヶ月暮らしてみて

高床式住居 生活
高床式住居

8月まではロスバニョスにある大学に滞在していたが、遂に念願だったフィリピンの農村でのホームステイが始まった。ホームステイ先はアジア有数の氾濫原のど真ん中にある農村である。洪水時には、1.5m ~ 2.0m の浸水に見舞われる過酷なエリアだ。こうした浸水による被害を回避するために村民たちは写真のような高床式の家に住んでいる。今回はこの1ヶ月生活してきたなかで印象的だったことを紹介する。

10cm程度の浸水は日常茶飯事

東南アジアの雨季について、半年間梅雨のようにずっと雨が降っている期間が続くと思っている方も多いのではないか。私もこっちに来るまではそういう認識だった。実際は30分くらい続く猛烈な雨が1日に何回か降ると言った感じで、雨が降っている時間の方が短い日がほとんどだ。しかし2週間に1回くらいの頻度で1日中猛烈な雨が続く日があり、こうした雨が降ると排水が追いつかなくなり村全体が浸水する。このような日常的に起こる浸水は10cm程度で、道路を車両が通過することもできるため生活への支障はほとんど見られなかった。しかし水が引いた後、道路には大量の魚の死骸が転がっており悪臭を放っていた。ロードキル自体は日本でも田舎の方の道に行けば珍しくはないが、魚がロードキルされる状況は考えたこともなかったため新鮮だった。またこちらの家に来てから、食事の時ランブータンの皮や魚の骨、スナック菓子の袋を庭の地面にポイ捨てしている割にはゴミが溜まっていないことについて、全部犬が食べているのだろうかと不思議に思っていたが、浸水後全部綺麗に流されており合点がいった。こうした文化が原因になっているのだろうが、浸水時に流れてくる水はめちゃくちゃ汚い。正直一瞬でもつかりたくないが、ホストファミリーが浸水時でも頑なに屋外でご飯を食べるためやむを得ない。一応破傷風のワクチンは打っているが、足だけは怪我をしないように気をつけたい。

浸水時の家の様子
浸水時の家の様子
浸水時の田んぼ

ご飯は手で食べる

ご飯を手で食べるのはインドというイメージが強すぎて、インド人以外は食器を使ってご飯を食べると思っていたが全くそんなことはなかった。私が滞在している村の人もみんな手でご飯を食べる。ご飯は基本的に大量の白米とスープ、魚か鶏肉料理といった組み合わせが多い。食べ方としては、スープをご飯にかけかき混ぜながら手で握り固めて口に入れるのが一般的なようだ。郷に入っては郷に従えということで見よう見まねでやってみたがこれが意外と難しい。そもそも初めの方は米やスープの温度が熱すぎて触れたものではない。またやっとの思いで米を掴んでもパサパサしているため適度にスープを加えないと手の中で固まらず口にまで運べない。手で食べてみるとホストファミリー含めみんな喜んでくれたが、次の食事からフォークやスプーンが出てくることはなかった。手でご飯を食べる一番のメリットは、口に入れる前になんとなく温度がわかるため舌を火傷しにくいことである。

キャベツと鶏肉のスープ
料理作っているところ
料理作っているところ

ユニットバスが一般的

最後は風呂だが、トイレと風呂が一体化しているタイプが一般的である。ここまで聞くと海外ではよくあることだと思うかもしれないが、この村の風呂はトイレの隣にある蛇口を使って水浴びをするスタイルだ。私は最初風呂はどこか聞いたとき、写真の場所だと言われトイレではなく風呂に入る場所だと何回も聞き返してしまった。基本的な入り方としては、蛇口の下にあるバケツに水を溜め溜めた水を使って体を流す。蛇口の水が冷たすぎるため、軽く散歩や運動をした後入るようにしている。トイレにトイレットペーパーがないと思ったかもしれないが、こちらについても溜めた水で流すウォシュレット仕様となっている。また、トイレはボットントイレであるため中身を流す際もこちらの水を使う。生活し始めた時は不便だなと思っていたが、住めば都とはよくいったもので慣れれば何も気にならなくなった。

ユニットバス

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