戦争の傷跡が残る街、マラウィの現状と進む復興

観光
被害をうけた建物

今回参加した学会には、3日目にイリガン市周辺の観光ツアーもついておりもちろん参加した。ツアーの目玉はマラウィ市の市内観光だった。マラウィは2017年に起きたイスラム過激派による戦争の舞台となった場所である。どんどん復興は進んでいるものの、未だに戦争の傷跡は深く残っており衝撃を受けた。マラウィは現在もかなり厳重なセキュリティで管理されており、街中に軍隊の人が見回っているのはもちろん、検問も何ヶ所か通過した。私が行った際は、学会のツアーということでスムーズに通過することができたが、一般の人が入れるのかは不明である。今回はそんなマラウィの現状について紹介する。

街中に残る銃撃戦の跡

マラウィ市はフィリピンで二番目に大きい湖であるラナオ湖のほとりに位置する街である。街中に入ると、現在人が住んでいるエリアの建物にも銃痕と思われる跡が残っており衝撃的だった。戦いの中心地となったエリアに入るためには検問を通る必要があり、検問を通るとそこには倒壊した家や建物の残骸が広がっていた。このエリアは人がほとんど住んでいないようだったが、復興も少しずつ進んでいるようで、ラナオ湖側ではスーパーマーケットの新しい建物ができていた。また戦争の際に破壊されたモスクも新しいものが建てられており、中からは礼拝の音が聞こえた。モスクの辺りは散策をすることができたので、倒壊した建物を間近で見ることができた。多くの建物は鉄筋が剥き出しになっており、かろうじて残っている壁には無数の銃痕があった。今まで日本で戦争とは無縁の生活を送ってきて、戦争の映像をニュースで見ることはあっても、そこで起きていることをリアルに知る機会は無かった。そのため戦争についてどこか現実離れしたイメージを持っていたのかもしれない。今回、被害地域を自分の目で見て7年前そこで起きたことなどを想像すると、戦争が自分の思っていた以上にえげつないものであることを実感しショックを受けた。

ラナオ湖
再建されたモスク
無数の銃痕
街中の様子

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